■ 東京リング 最終夜 《神々の黄昏》 (2010.3.31)




東京リング――《ニーベルングの指環》の最終夜が来た。
《神々の黄昏》のマチネー公演に行ってきた。2010.3.30(火)
14時に公演が始まり、途中2回の45分休憩をはさんで、終わったのは8時20分前後。
計6時間の長丁場であった。

今回の《ニーベルングの指環》、なんとか全4夜の公演に接することができた。
――全て4階席からの観賞であったが、不満はなかった
《神々の黄昏》も東京リングとしては単発で見たはずである。

このキース・ウォーナー演出は、キラキラと輝くようなポップ?と言うのか、
そんな印象が強かった。《ワルキューレ》の病院なんて、こんなのあり?だった。
あの頻繁に舞台に出てくる、真っ赤な矢印がずっと目に焼き付いている。

しかし、全夜が終わってみると、舞台のイメージばかりが先行し、全曲を貫く大きなメッセージが伝わってこない感がある。
すべてが、一夜の映画館での上演であったというアイデアではあるが、
これは表現手段の問題。目的はどんなメッセージを伝えることだったのか?
現代のテーマとして考えるということ?……どうにももどかしい

今までそれほど強い印象はなかったのだが、今回あらためて感じたのは、ダン・エッティンガーの指揮のテンポがかなり重いこと。
「ジークフリートの葬送」など、特に重々しい。それに思いっきりタメを取るのだが――もうアナクロに近いのでは。限界近くまで音量を上げる。
もっとすっきりやるのが自分の好みだ。
東フィルも長時間よく棒に付いていったのではないでしょうか
前回公演(2004.4.3)の様子 → こちら

ブリュンヒルデのイレーネ・テオリンは、この年末の新国立劇場で、大野和士の指揮のもと、《トリスタンとイゾルデ》で、イゾルデを歌うようである。
圧倒的な声量に打ちのめされる感があった。大野との共演が待ち遠しい。


<キャスト>
ジークフリート:クリスティアン・フランツ
ブリュンヒルデ:イレーネ・テオリン
アルベリヒ:島村武男
グンター:アレクサンダー・マルコ=ブルメスター
ハーゲン:ダニエル・スメギ
グートルーネ:横山恵子
ヴァルトラウテ:カティア・リッティング
ヴォークリンデ:平井香織
ヴェルグンデ:池田香織
フロスヒルデ:大林智子
ノルン:竹本節子、清水華澄、緑川まり

演出:キース・ウォーナー
指揮:ダン・エッティンガー
合唱:新国立劇場合唱団
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団


【東京リング:ニーベルングの指環】 公演一覧

序夜    《ラインの黄金》  2009.03.18
第1夜  《ワルキューレ》  2009.04.06
第2夜  《ジークフリート》 2010.02.11
最終夜 《神々の黄昏》   2010.03.31

【前回公演】→こちら  《ジークフリート》 2003.4.1、《神々の黄昏》 2004.4.3


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